闇夜ヨルの恐怖記録 3
『死神……』


ユナは呆然として骸骨の死神を見つめる。


恐いはずなのに死神から目を離すことができない。


『なにか聞きたいことがあるのか』


死神の声にユナは体を跳ねさせた。


まさか会話ができるとは思っていなかったのだ。


死神の声第4診察室中に響き渡り、気分が悪くなるようなものだった。


ユナはごくりと唾を飲み込む。


『シュンヤの寿命が知りたいの』


すると死神はユナに顔を近づけてきた。


ユナはその場に硬直してしまったかのように動けない。


骸骨しかない死神の息は腐臭がして、顔をしかめる。


『残り一ヶ月』


『え?』


身を引いて答えた死神に、ユナは唖然として聞き返す。


『残り一ヶ月だ』


死神は同じ言葉を繰り返す。
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