闇夜ヨルの恐怖記録 3
ユナの体から血の気が引いていく。


シュンヤの寿命は残り一ヶ月?


そんなこと……あるはずない!!


だけど死神が嘘をつくとは思えなかった。


そんなことをしてもなんの意味もないんだから。


『それ……本当なの?』


『本当だ』


ユナの足が小刻みに震え始めた。


目の前に死神が現れたときだって、これほどの恐怖は感じなかったのに。


立っていられなくなってデスクに左手をついた。


『お願い……シュンヤがここに来ても、そのことを言わないで! もっと長生きでいるって、嘘を言って!』


自分はなにを言っているんだろう?


こんなこと死神に頼んだって叶うわけがないのに。


それでもユナは叫んだ。


『お願い! 本人が来たら、80歳まで生きると伝えて!!』
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