闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

キユナに彼氏ができたのなら、自分にだってできるはずだ。


だけどすぐにできるとは限らない。


自分は地味な方だし自分から声をかける勇気もない。


しかし、昨日のキユナの態度を思い出すといらだちを感じるし、自分にはもっともっと素敵な彼氏ができるはずだと考えた。


手っ取り早く素敵な彼氏を作るためには、やっぱり彼女たちが噂していた人間工房を探すことだった。


朝はやくから家を出たアリスは1人で人間工房を探すことにした。


と言っても手がかりはなにもない。


闇雲に街の中を歩いていて見つけられるようなものでもない。


「あまり好きじゃないけど、道を聞くだけだし」


アリスは自分にそう言い聞かせて警察署へと向かった。


広いロビーを入ると右手に受付があり、左手は病院の待合室のようにベンチが並んでいた。


アリスは少し迷いつつも受付へと足を進めた。


こういう質問は交番へ行った方がよかったんだろうか。


そう思いながらも、もう目の前には女性警官の笑顔があった。


「どうされましたか?」


優しい声で質問されて少し安心する。
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