闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

今日の行き先はビルの多い駅前だった。


この辺は会社が入っているビルばかりで、朝の通勤ラッシュ、昼の休憩時間、そして夜の帰宅ラッシュになると数多くの社会人たちが行き交うようになる。


アリスは近くのドーナツ屋に入り適当に3種類ほど注文をすると、ビルが良く見える窓際の席に座った。


まだ時間が早いためドーナツ屋の中は空いていたけれど、1人の女性客と1人の男性客がパソコンと広げて仕事をしていた。


2人ともラフな格好で、コーヒー片手を片手に仕事をしている。


アリスはオールドファッションを口に運びながら、自分も将来はあんなふうに自由な仕事をしようと決める。


スーツを着てバリバリ仕事をこなす姿もカッコイイけれど、カフェなどでゆったりとした仕事時間を過ごすことにも憧れる。


アリスはその2人のマネをするようにバッグの中から単行本を取り出して、ゆったりと背もたれに背をもたれかけさせると、物語の世界に入り込んだのだった。
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