『ミステリアスと噂の遥くんが、2人になると甘すぎるんです』
ドアの先には、40代程の男性が立っていた。


「はじめまして。高木彰人です。今日からよろしくね」


丁寧な動作で私に片手を差し出すその人は誠実そうで、いかにもママの好きそうな男性だった。


私は戸惑いながら、彰人さんの手を掴んだ。


「桜井綾乃です。よろしくお願いします」



丁寧に挨拶をすると、彰人さんは優しい顔で微笑んだ。


今日から、この人が新しいお父さんになる。
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