『ミステリアスと噂の遥くんが、2人になると甘すぎるんです』
私は小さく彰人さんに頭を下げて、お母さんの後ろをついて行った。


真っ白な階段の先には数個の部屋があって、1番奥とその隣の部屋には名前プレートがぶら下がっていた。



奥には『アヤノ』と書かれたプレートが、その隣には『ハルカ』と書かれたプレートがドアノブのところに掛けられている。


木材でできたプレートの上に、小さな積み木のようなカタカナが並んでいる姿は、可愛らしかった。動物やお花などでデコレーションがされていた。


彰人さんの息子さんはハルカという名前なんだなと思いながら、ママが私のドアを開けるのぼんやりと見ていた。


自分が今ここに立っていることが、どこか他人事のように思える。
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