天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
ね?と明明に同意を求めると呆れたと言わんばかりの目で見てきた。
「侍女につく侍女なんて聞いたことないですよ。お嬢様」
「そ、それもそうね。」
それに八咫烏一族のような身分が低いものは滅多に選ばれないし、関係ないか。
「あらあ。もしかしてこの人たち自分が選ばれるとでも思ってるの?」
明明と話しをしていると一族の中でも目立つ集団がやってきた。
「白蘭お嬢様に無礼ですよ」
「無礼?一族の長と秋月様は尊敬しているけど、翼が黒でもない人に礼をかく必要なんてないわ」
そういうと周りからもクスクスと笑いが起こった。
ふーん。私を馬鹿にしようっての?
私が黙っていることをいいことに女は続ける。
「中途半端な灰色の翼の女と捨て子の侍女じゃあね」