天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「なんだその顔は」
「同じ侍女として恥ずかしくないの?」
「同じ?そなたと私たちが同列とでも?」
くすくすと笑う双子を睨みつける。
「知ってのよ。あんたたち双子が侍女達に嫌がらせするよう仕向けてんの」
「なんだと」
「あとは玲心様に告げ口してるのも自分たちじゃ手も下せない臆病者ってことも知ってる」
「生意気なっ」
殺気だった双子が私を鋭く睨む。背後には狐の尻尾が見えていた。
人型も取れないなんて相当怒っているわね。
「手も下せないだと?下さないの間違いだ。」
「そうよ。私たちの高貴な手が汚れるから。でもそんなに望むならやってあげる」
蘇芳が火炎術で狐火を作るのを見てすばやく水系術で盾をつくる。
火は防ぎきれたものの水の盾はあっという間に蒸発した。
すごい威力っ!!さすが炎狐族ね。私の水系術なんてまるで歯が立たない。
次の術は防ぎきれるかしら。
今度は璃桜が狐火を作り私も盾を作った。