天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
のんびりした声で香林はいった。
「二人が白蘭をいじめるの見えた。やりすぎ。だから白蘭に加勢する」
そこからは炎狐族の双子と香林が同じ火炎術を繰り出し争った。
双子相手に顔色一つ変えない香林はやはり戦将軍の娘だけあって、手ごわいようだ。
「もういい!行くよ蘇芳!!」
「香林!覚えてなさい!!」
香林に敵わないとわかった双子は捨て台詞をはいて逃げて行った。
「香林、ありがとう」
「別に」
そういうも私の怪我に蘇生術をかけて治してくれる。
「蘇生術も使えるのね。香林すごい」
「私よりも白蘭の方がすごい」
「え?私が?」
「双子にも下級の侍女にも負けなかった。いじめられても誰にも言わないで耐えていた。私知ってる」
そして香林は薄っすらと微笑んだ。