天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
さっそく皇太子宮に戻って朱雀に言うと、驚愕した顔をされた。
「ええ!?あの玲心様と婚約破棄する!?本気ですか」
「ああ」
「魔帝陛下と魔后殿下がお許しになるはずないですよ!」
「父上には褒美として許しを請う。母上は…どうにか説得する」
「玲心様はどうするのですか!?」
「受け入れてもらうしかない。そもそも玲心は位こそ高いが残酷だ。私は玲心は娶らない」
「そんなこと言ったら玲心様がご乱心なさりますよ」
「知らぬ。…そして私は白蘭に想いをつげる」
言うと、朱雀がポカンと口をあけた。
「阿呆な顔をするな」
「白蘭って、あの白蘭ですか?侍女の?」
「そうだ。好いているのだ。会うたびに想うたびに気持ちは大きくなるばかりだ。」
「…でも白蘭は八咫烏一族で侍女ですよ。後宮に入れるんですか?」
「馬鹿者。後宮になど入れるわけがない。白蘭さえよければ正室にする。」