天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「私が何をしたの?」
「そなたは紅蓮に想いを寄せているな」
「…」
玲心の鋭い目つきが白蘭に刺さる。
「自分が犯した罪を認めよ。そなたのその身分不相応の想いもそなたの存在さえ罪なのだ。」
「…罪?」
「なに?」
今まで黙ってきたこの想いが罪だというの?
「愛する人を想う気持ちが罪なの?私の存在が罪だと?何がいけないのよ!」
「そなた生意気な!」
「私の気持ちも存在も、すべて私自身の物!勝手に罪だとか決めつけないで!!」
水系術を玲心に向けるもすぐに火炎術で反逆を受けた。
力の差が圧倒的で、玲心の術に耐えられず私は開いた鉄扉の中に飛ばされた。
「その中で静かに死ぬがよい」
その言葉を最後に扉は閉じられた。