天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
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戦場にきて数日。


はやく終わらせて帰りたいが、天界の皇太子も一筋縄ではいかなかった。


適当に説得して、戦を引き上げようと思っていたがどうやら氷輪は違うようで天界の軍を正面から突っ込んできた。


「紅蓮様!」

「朱雀!私に構うな!軍を任せる!」


朱雀がこちらに向かってくるのを制し氷輪に向き合う。


「聞け!天界の皇太子よ!そなたたちと争う気はない!軍を引き上げよ!」

「黙れ!魔界の鳥が!」


まったく聞く耳持たずだな。それにしても鳳凰の私に魔界の鳥とはなんだ。

水系術を飛ばし剣で切りかかってくるのをかわす。

氷輪の法術は月影と比べてまだ成長しきっていない。

戦い方も隙が多く雑だ。


「鳥とは失礼なやつだな!」

「お前は鳥で十分だ!私はこの戦に勝たねばならないのだ」

「なんとも幼稚な皇太子だな」



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