天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「月影、そなたの義弟をどうにかしてくれ。このままだと戦が終わらぬ」
「兄上!魔界の鳥と知合いですか!?」
「氷輪。何も聞かず何も言わず軍を引き上げよ」
月影がきたから大丈夫だろう私も軍を引き上げに行こうと二人に背を向けた。
「嫌です!!」
「氷輪!!」
背中に氷輪が放った、氷結針が刺さった。
月影が来たことと、氷輪の法術を甘く見ていた。
まさか、水狐族の秘術を習得しているとは思わなかった。
「…っ」
「紅蓮!」
「紅蓮様!」
月影と朱雀が同時に来ようとするのを見て紅蓮が叫んだ。
「月影!氷輪をつれて軍を引け!」
このままだと朱雀が攻撃してしまう!
それを察した月影は氷輪を術で気絶させると軍を引いて天界へと帰っていった。