天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~

結ばれた二人

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「うっ…」


全身の痛みに呻きながら白蘭は目覚めた。


「…!?…白蘭!」


香林が私に気づくと走って近寄った。


「気分はどう?まだ起きない方がいいわ」


起き上がろうとする白蘭を香林が寝床に押し付ける。

ここは…私の部屋?

たしか、私は幻覚獣のいる扉に閉じ込められて…。

紅蓮が助けてくれたの?


「紅蓮…皇太子殿下は?」

「殿下は薬師神に見てもらったから無事よ」

「怪我をしてるの!?」

「殿下のことよりも自分の心配をしなさいよ。五日も眠っていたのよ」



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