天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「今回の騒動はそなたにも関わることだ。体が回復するまではこの部屋から出るでないぞ」
「はい。雪梨様」
雪梨様が出て行くのを見送り、香林と話を続ける。
「殿下も大変お怒りだったのよ。後宮制度を無くすとか。もう魔宮は滅茶苦茶だったわ」
「そんなことも?」
「炎狐族の双子も侍女をやめさせられたし、特に魔后は息子の反発に戸惑っているわ」
「色々あったのね」
「落ち着いたら、皇太子殿下に会いに行きましょう」
そして私はその後、また五日をかけて身体を癒した。
その間の世話は香林がしてくれた。
「お茶を淹れてくるわ」
「ありがとう」
もうだいぶ体は回復した。自分で歩けるようにもなった。