天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「まったく子供か。お前は」


それを紅蓮が呆れ顔でついてくる。

紅蓮にも笑ってほしくて花びらを顔に投げつけると命中した。


「あははっ」

「…やったな」


紅蓮が怒りながら追いかけてくる。

まるで子供の様に二人で花びらを投げつけて遊んだ。

結局、白蘭は疲れはてて庭で寝転んだ。


「病み上がりなのに、ずいぶん元気になったものだな」

「私のこと心配したーって震えていたの誰だったかしら?」

「...おい。調子に乗るなよ」

「あははっ」


起き上がると紅蓮が衣についた花びらを払ってくれる。

それを嬉しそうに笑う白蘭。



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