天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「そなたの答えを聞かせてくれ」


身分不相応と誰からも言われ続けた、決して叶うことはないと思っていた。


「私の心は、ずっと前からあなたのものよ」


答えると紅蓮が私を抱き寄せる。

見せはしないが紅蓮も薄っすら涙を浮かべていた。


「なんで泣いてるのよ」

「嬉しいからだ。愛している白蘭」


皇太子が人前で涙を見せるなんて。


それから二人は静かに唇を重ねた。


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