天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
朝を迎えると昨日の虹彩樹の庭の出来事が、頭をよぎり赤くなる。
夢?夢だったの?
「おはようございます。白蘭様」
「白蘭…様?」
見知らぬ侍女が、ぞろぞろと部屋に入ってきたかと思えば湯あみの準備を始めた。
「え…?ちょっ。ちょっと」
戸惑っている白蘭に構わず、あっという間に湯あみから着付けまで侍女にされてしまった。
衣もいつもと違い高級なものだ。
「…鳳凰の柄…」
誰が用意したのかすぐにわかる。
「白蘭」
支度を終えると紅蓮が立っていた。
紅蓮は近づいてくると侍女から簪を受け取り私の髪にさした。
「これで完璧だな」