天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「父上は私たちを残してどこに行くの?」
「新夜の間に向かったんです」
「新夜の間って何よ」
「お嬢様。新夜祭のこと何も知らないんできたんですか」
「早く説明しなさいよ」
やれやれと言いながらも明明が説明してくれる。
新夜祭は身分がいい一族と魔后・皇太子でまず宴が行われる。その他の一族は大部屋に集め待機させられそれぞれの一族の長だけが新夜の間で皇太子に呼ばれるのを待つそうだ。
「身分が高い順に皇太子に拝謁することになっているので、八咫烏一族は…まだですね。」
「はあ。どれだけの種族が集まっていると思うのよ。日が暮れちゃうわ。」
「とにかく待つしかないんです」