天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


兎月と人間界に行くと珍しく白蘭が先に来ていた。


「白蘭!」

「あっ。月影。兎月も!」


薬を調合するのを止めて白蘭がこちらに向かってくる。


「珍しくここ数日、姿が見えないから心配していたのよ」

「すまない」

「月影様は忙しいのだ!色々あったのだ!」


天界は朝だったが人間界では、もう夕方だ。


「謝罪として今日は私が食事をつくる」

「今日もでしょう。でもお願いするわ」

「わかった」


兎月には薬草摘みを頼み、私と白蘭で夕食をつくった。

いつも以上に上機嫌な白蘭に私はきいた。



< 163 / 276 >

この作品をシェア

pagetop