天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
兎月と人間界に行くと珍しく白蘭が先に来ていた。
「白蘭!」
「あっ。月影。兎月も!」
薬を調合するのを止めて白蘭がこちらに向かってくる。
「珍しくここ数日、姿が見えないから心配していたのよ」
「すまない」
「月影様は忙しいのだ!色々あったのだ!」
天界は朝だったが人間界では、もう夕方だ。
「謝罪として今日は私が食事をつくる」
「今日もでしょう。でもお願いするわ」
「わかった」
兎月には薬草摘みを頼み、私と白蘭で夕食をつくった。
いつも以上に上機嫌な白蘭に私はきいた。