天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「何かいいことでも?」
「え?」
「いつもより上機嫌だ。いいことでもあったのか?」
白蘭は嬉しそうに笑うと言った。
「秘密!そのうち話すわ!」
相当、いいことがあったのだ。白蘭が笑顔でいると私も嬉しかった。
その後はまたいつも通り食事をし兎月は眠り、白蘭と茶を飲む。
「月影!怪我してるわ!」
氷結針の傷口が少し開いたのか血がにじんでいた。
すぐに袖口を隠したが、白蘭に気づかれてしまった。
「どうしよう。ごめんなさい。私、蘇生術は使えないの」
「よい。少し傷口が開いただけだ。私の治癒力ですぐに収まる」
「あ、待ってて!」
白蘭は棚に行くとすぐに戻ってきた。