天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
特に庭にある鈴蘭が好きなようでキラキラとした笑顔を見せた。
「この鈴蘭は私が世話をしている。先の天女様が好きだった花だ」
「そうなの。綺麗ね」
そこに水系術で虹をつくると白蘭はさらに喜んだ。
しばらく白蘭と宮を見て回った。
いつも嫌で仕方がなかった天界が白蘭がいるだけで真逆になる。
天帝や天后のことなど頭になかった。
「これは…?」
「それは私の宝物たちだ」
宮の中に入ると白蘭が寝床の近くにある箱の中を見て言った。
箱の中には、白蘭から貰った青い衣や白い簪などが大事にしまってある。
「これは…翡翠の腕輪ね」
「それは亡くなった母の物だ」