天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「あとはなんだ。これはどうだ」
「食べ物ばかりじゃない!」
食べ物を与えとけばいいと思ってるのかしら。
「では簪か。美しい衣か。なんでも言え。買ってやる」
「もう!そんなにいらないわよ」
店ごと買おうとする紅蓮を止める。
「これだから皇族は。限度ってものを知らないんだから」
「そんなものは知らん。そなたが教えてくれねばわからん」
私の手から飲み物を取ると、空いた方の手をつながれる。
「ちょっと。誰が見てるかわからないのよ」
「誰が見てるんだ。面もしてるのに私だと誰も気づかん」
「あー。それもそうね」