天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
落ちたら願いが叶わなくなっちゃう。
心配そうに見守ると紅蓮が私の灯篭に向かって法術を使った。
法術は強くどの灯篭よりも高く飛ぶ。
「これで問題ないな」
「なんだか狡いんじゃない?」
「使うなとは言われていない」
「ふふっ」
紅蓮らしい答えに笑ってしまう。
「ねえ。何をお願いしたの?」
「それを言ったら意味がないではないか」
「いいじゃない!教えてよ」
「では、そなたから教えろ」
「私は…紅蓮とずっと一緒にいられるよう願ったの」
「そうか。私も白蘭と同じ願いだ」
「本当に?」
「ああ。本当だ。死ぬまで共にいよう。」
幸せだ。
楽しい時間はあっという間だった。