天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
ふらふらしてたら見事に迷子になった。
「んもうっ。魔宮ってなんでこんなに広いのよ」
そこかしこに衛兵がいるから隠れるのも容易じゃないわ。
「皇太子殿下をお探ししろ」
「どちらにいらっしゃるのか」
「警備を集めて捜索にあたれ」
バタバタと衛兵達が忙しそうに動き回っていた。
もしかして皇太子がいないの?いくら待っても順番がこないわけだわ。
また、ふらふらと歩いていると甘い匂いが漂ってきた。