天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「そうかしら」
「それよりこれで二人きりだな」
「祭りでも二人だったじゃない」
「月影と人間界で仲良くなって楽しかったか?」
聞くと白蘭は意地悪く笑い紅蓮の鼻をつついた。
「なに?嫉妬してるの?」
「…まさか」
嫉妬していないと言えば嘘になるが、友の月影と白蘭が仲良くなってくれた事の方が嬉しい。
「あっそ。じゃあ、人間界で暮らそうかしら」
「それは駄目だ」
「なんでよ」
「お前は私の物だからな」
「いつ私がそんなこと言ったのよ」
「虹彩樹の庭だ。覚えていないとは言わせないぞ」
「あー、そうね」
素直に認める白蘭が可愛くてまた抱きしめる。
こんな平和な夜が続けばいいと思った。