天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~



朝、目覚めた紅蓮はさっそく身支度をし魔帝と魔后のもとへと向かった。


今日こそは白蘭を正室に認めさせてみせる。


「父上、母上、ご挨拶を」


二人共、顔は険しい。


「父上、」

「またあの侍女の話か。聞きたくない」

「父上、白蘭は侍女ではありません。私の正室になる者です」

「紅蓮!魔帝陛下に失礼でしょう!!」


魔帝は身分の低い白蘭を正室と認めず侍女と呼ぶ。

それを訂正すると母上が声を出した。


「父上、認めてください!白蘭こそ私が愛する者なのです」

「くどいぞ!紅蓮!!あの侍女になんの価値がある」

「そうです!紅蓮、玲心との婚約も破棄するとは、母は黙っていませんよ!!」


広い謁見の間に鳳凰と炎狐の声が響く。



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