天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「そなたを後宮に入れる…だが約束しよう。決して白蘭以外の正室も後室も迎えないと。私と生きてくれるか?」
「ええ」
白蘭はいつも通りに笑った。
私はすぐに白蘭の後宮入りの準備を行った。
掟に沿って部屋も正室から後宮のところへ移った。
白蘭の身分上、後宮入りの豪華な宴も開けず内々に密かに行われた。
「部屋が狭くなってしまったな…」
「何言ってるのよ!あの正室の部屋は広すぎよ!」
何も気にしていない様を装う白蘭。
「白蘭、こちらに来てくれ」
「ええ」
私は皇太子宮に白蘭を連れて行く。
豪華な宴を開けないかわりに皇太子宮に雪梨と香林、それに朱雀と朱雀軍の者たちをよんだ。
「白蘭。紅蓮様。おめでとうございます」
「白蘭…おめでとう」
「どうなることかと思ったが、お祝い申し上げる」
親しい者たちからの言葉に囲まれて白蘭は泣くほど喜んだ。