天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~

狂った歯車

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謝りながら抱きしめる紅蓮を見てわたしは、やっとわかったのだ。


八咫烏一族はどうあってもその身分の低さから、魔宮では歓迎されない存在。


紅蓮の手から血が滲んでいる。


きっとまた魔帝のところへ行ったんだ。


魔帝は絶対のはずなのにきっと紅蓮は私のために神籍剥奪も厭わない気でいる。


それなのに謝るということは紅蓮でも手に負えないのだ。


「いいのよ紅蓮」


強く凛々しく美しい鳳凰は私の前でだけ涙を流す。


自分が負担になっているのは重々承知だ。私は後宮に入ると決心した。


紅蓮は小さな宴を開き、雪梨様をはじめとした親しい者たちを呼んでくれた。


そして何よりも八咫烏一族を呼んでくれたのだ。



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