天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「二日酔いです」
「…二日酔いだと?」
昨日みせた落ち込みとは逆に紅蓮はいつも通りだった。
二日酔いだと聞くと口元に笑みを浮かべた。
「おい。いまからこれでどうする。この先、宴があったら全て白蘭に注がれた酒は私が飲まねばなるまい」
「そんなに弱くないわよ…」
「その様でか。強がるな」
「あー、もう最悪」
「今日は無理せず寝ていなさい。明明、白蘭の事、頼んだぞ」
「はい。皇太子殿下」
まったく。二人とも私の様子を見て楽しんでるわね。
明明に世話をしてもらいながら最近の八咫烏一族のことを聞いた。