天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「二日酔いです」

「…二日酔いだと?」


昨日みせた落ち込みとは逆に紅蓮はいつも通りだった。

二日酔いだと聞くと口元に笑みを浮かべた。


「おい。いまからこれでどうする。この先、宴があったら全て白蘭に注がれた酒は私が飲まねばなるまい」

「そんなに弱くないわよ…」

「その様でか。強がるな」

「あー、もう最悪」

「今日は無理せず寝ていなさい。明明、白蘭の事、頼んだぞ」

「はい。皇太子殿下」


まったく。二人とも私の様子を見て楽しんでるわね。


明明に世話をしてもらいながら最近の八咫烏一族のことを聞いた。


< 193 / 276 >

この作品をシェア

pagetop