天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
以前とは別人のような態度に戸惑う白蘭に玲心は続けた。
「どうか、私を許して!幻覚獣の間であんな大ごとになるとは思わなかったの」
玲心は白蘭の前で涙を流し懇願する。
「私、紅蓮が好きだったの!紅蓮が婚約破棄すると聞いて、あなたのせいにした!!でも間違っていたわ!」
「…」
「幼い頃から紅蓮の許婚として育てられたから突然それを奪われて戸惑ったの!正気じゃなかった!」
そうだ。
私は紅蓮と玲心様を引き離したんだわ。
もし自分が玲心様の立場だったらどうだったんだろう。
好きな人を突然失ったら、正気でいられたかしら。
「玲心様…」
「敬称は結構よ。あなたに敬称で呼ばれる権利は私には無いもの…許してくれとは言わない。でも謝罪させてほしかったの」