天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
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紅蓮が無理やりに八咫烏の女を後宮にいれた。


あの女をはじめて新夜祭で見たときに不快感を感じたが、まさか息子を誘惑する存在になるとは思わなかった。


「魔后殿下!」


また、うるさい娘がきたか。


炎狐族の長をしていて紅蓮の元許婚だ。


「魔后殿下!どうかお力添えを!」

「…玲心か」


泣きながら、八咫烏が憎いという玲心。


「力添えか…せっかく幻覚獣の間を貸してやったというのに、八咫烏を殺し損ねた…そなたに私が再び力を貸すとでも?」

「お願いです!あの女が!白蘭が憎いのです!!」

「しつこいぞ!あの女は後宮に入った。もう正室にはなれぬ。」

「後宮などで紅蓮が離すわけありません!憎い…殺したい!いや殺しても足りない」


玲心の目は憎しみ一色だ。こういう時は、つくづく私と同じ炎狐族だということを実感する。


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