天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


紅蓮に案内され岩場の頂上まで行くと、ちょうど夕日がおちるところだった。


「わあー!綺麗!!」

「そうだな」


夕日にあたると余計、紅蓮の美しい翼に目がいった。

自分の白銀の羽が恥ずかしくなってきた。


「私も紅蓮みたいな美しい赤だったらよかったのに」

「そうか?白蘭の白銀の羽も美しいが」


そうかしら。

この翼のせいでだいぶ一族の者には馬鹿にされた。


「白蘭」

「なに?」

「翼を見てみろ」


翼をみると夕日に照らされ白銀の羽が赤色にキラキラと輝いていた。


「わあ…」

「私と同じ赤だ。そなたの羽は光にあたれば白に。暗闇の中では黒に。夕日の前では赤になる。白蘭にしかだせない色だ。誇りを持て」

「紅蓮…」


そのような言葉をかけられたのは初めてだった。

嬉しくて胸がいっぱいになる。





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