天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「そうだ、白蘭。首飾りを」
「これ?」
私が常にしている首飾り。
首飾りには白い羽と父上の黒い風切羽がついている。
紅蓮は自分の風切羽をとると、その首飾りに法術で追加した。
「これで私も常に一緒だ」
「紅蓮。ありがとう」
私も風切羽をとり紅蓮に渡す。
「じゃあ、紅蓮もこれを…あ、首飾りはなかったわね」
後で首飾りにして送ろうと思ったが、紅蓮に羽をとられる。
「これでよい」
紅蓮は懐に私の羽を大事にしまうと、トントンとたたいた。
夕日が落ちきるまで私たちは岩場にとどまった。