天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「皆、私の皇太子の権力が目当てであろう。上辺だけの付き合いはうんざりだ。」


「そんなことはないですよ!」


「とにかく少し疲れたのだ。ついてくるなよ。ついてきたらお前をひと月、幻覚獣の世話係にしてやるからな」


「そ、そんな!あんまりですよ!...半刻以内には帰ってきてくださいね!」


これで半刻の間は朱雀がうまく言い訳をしてくれるだろう。


「さあ虹彩樹で寝るとしようか」


虹彩樹とは魔帝がつくった庭で入れるのは皇族の者とそれを許可された者だけだ。


よって、誰にも邪魔されることなく眠ることが出来る。


…そう思ったのだが。

< 21 / 276 >

この作品をシェア

pagetop