天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「父上。その…」

「どうした」


明明が私に向かい笑った。

そういうことよね。そういうことよね?明明。


「明明との婚姻をお許しください」

「やったーーー!!!!」

「おい。白蘭」


ついにやったんだわ!

紅蓮の元を離れて明明に駆け寄る。


「明明ついに!ついにね!」

「はい!お嬢様!」

「お嬢様はもうやめてっ!これからは本当の姉妹になるのよ!!」

「はい!!」

「それで、父上、了承願えますか?」


皆が父の決定を静かに待った。


「反対なわけがないだろう。一族のことならなんでもわかっている。秋月やっとか…明明の婚期が逃れぬか焦ったぞ」

「父上!!」

「やめろ。もう大人だろう」


勢い余って父上に抱きつく秋月。



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