天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
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花を見ていたら誰かに名を聞かれすぐに振り返る。


そこには男が一人立っていた。


どうしよう。父上に知られてしまうわ。


それより今、名前を聞かれた?


「先に名乗るべきじゃない」


あー、やってしまったわ。


よく考えもしないで言ってしまったことをすぐ後悔した。


相手は明らかに衣も装飾品も豪華な様だ。


男はいぶかしげな顔をして答えた。


「私を知らないのか。」


「知らないわよ」


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