天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
魔帝が法術で私を真の姿に戻すと翼を持つ。
私の翼を斬る気だ!
飛ぶことは鳥族にとって生きるも同じ、特に誰よりも自由を好む白蘭にとっては何よりも重要な事だった。
いやだ!
心の中で叫ぶ。
「うぉぉおおお!」
咆哮と共に紅蓮業火が飛んできて魔帝の袖を焼いた。
私は魔帝の腕から解放され床に落ちる。
紅蓮が強靭な神器を壊し紅蓮業火を飛ばしたのだ。
「紅蓮業火…か。これは、お前しか使えぬ術だものな」
「紅蓮!歯向かうのはやめなさい!」
紅蓮は私に駆け寄り腕に抱くと魔帝を睨む。
「紅蓮…兄上と明明が…」
「許せない…妻の家族を殺し妻にも危害を加えるとは」
「許せないだと?魔帝に偽りの話をするのは極刑だぞ。この男は私を何度も欺いたのだ」
「たとえそれが真実とはいえ、ろくに調査もせず残虐行為に陥るとは魔帝のすることでは無い!!」