天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
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「玲心、様子はどうですか?」
魔后に尋ねられて私はにんまりと笑った。
「順調です。魔后殿下。魔后殿下にいただいた香も欠かさず炊いております」
「そうか。あの香は思考を鈍らせる作用がある。その効果は薄いが今の八咫烏の娘にとっては十分だろう」
そうだ。白蘭はすでに私のことを信じ切っている。
そして私の言葉にのせられて紅蓮のことも疑い始めている。
「炎狐族の巧偽術はまだ使っていないな」
「はい」
炎狐族の秘術、巧偽術は姿・形を一刻の間変えることができる。だがそれは一生に一度しか使えぬ貴重な術であった。
「よいか。然るべき時に使うのだ」
「はい。魔后殿下」
「さがれ」
魔后殿下との謁見を終え、香炉の様子を見に白蘭の元へ向かう。
話によると紅蓮がつきっきりで世話をしているとか。
忌々しい。
紅蓮のことだ。香炉の違和感に気づくかもしれない。
消されてなるものか。
「玲心、様子はどうですか?」
魔后に尋ねられて私はにんまりと笑った。
「順調です。魔后殿下。魔后殿下にいただいた香も欠かさず炊いております」
「そうか。あの香は思考を鈍らせる作用がある。その効果は薄いが今の八咫烏の娘にとっては十分だろう」
そうだ。白蘭はすでに私のことを信じ切っている。
そして私の言葉にのせられて紅蓮のことも疑い始めている。
「炎狐族の巧偽術はまだ使っていないな」
「はい」
炎狐族の秘術、巧偽術は姿・形を一刻の間変えることができる。だがそれは一生に一度しか使えぬ貴重な術であった。
「よいか。然るべき時に使うのだ」
「はい。魔后殿下」
「さがれ」
魔后殿下との謁見を終え、香炉の様子を見に白蘭の元へ向かう。
話によると紅蓮がつきっきりで世話をしているとか。
忌々しい。
紅蓮のことだ。香炉の違和感に気づくかもしれない。
消されてなるものか。