天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
魔后はこのまま放っておいても死ぬというが、私はそんなの許さない。
楽に死なせてなるものか。
自死を望むほど苦しめてやる。
廊下を歩いていると紅蓮を見つけ隠れる。
朱雀もいる。
「朱雀、例の件はどうだ?」
「申し訳ございません。やはり魔気病を完治する方法は…見つかりません」
「…そうか」
いまだに白蘭を助けようとするか。
いますぐ殺してやりたい。
憎しみで心が満たされる。
「誰だ!出てこい」
紅蓮の声にハッとする。さすが戦神。隠れても無駄か。