天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「侍女を決める宴のことだな。では君は侍女になるのか」
「侍女なんてなる気ないわよ。はた迷惑な皇太子の侍女なんて嫌よ。」
「はた迷惑だと!?」
眉をつりあげ男はこちらを睨む。
「何よ。だって、はた迷惑じゃない!どれだけ皆がまってると思ってるのよ。自分で呼んでおいていないなんて迷惑以外の何物でもないわ」
「ほう。まあ、一理あるな」
「それよりあなたばかり質問してくるなんて卑怯よ。今度は私の番!名前は?なぜ魔宮にいるの?悩みはある?」
「お、おい!質問が多いぞ。名前は言えん。新夜祭に参加するため。あとは…悩みか」
戸惑いながらも答えてくれる。
「そ、悩み。ここで出会ったのも何かの縁だわ。あなた友達いなさそうだし聞いてあげる。」