天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「紅蓮様!」
蘇生術を使おうとする朱雀を止める。
「構うな!それより私の火が届かないよう空中に向かってくれ!奴らは法術が使えぬが数がある。私の紅蓮業火で一掃する!!」
「はい!!」
すぐに朱雀は飛び上がり紅蓮業火の邪魔にならぬよう剣で私の周りの敵を斬った。
さすが朱雀だ。何年も共に戦場を重ねてきた。判断が早い。
これで紅蓮業火が出せる。
紅蓮は体制を整えると紅蓮業火を放った。
あたりの獣やら草や木が一度に燃え上がる。
普通の場所ではないから燃え方は控えめだが、ここが森で助かった。
体力を失った上での紅蓮業火は体に堪えるな。一度使っただけで体中が痛む。
紅蓮業火もいつもより威力が弱い。それを見た朱雀がすぐに紅蓮の隣に来て体を支えた。