天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
そのような男もいるのだな。
「さっ!暗い話はやめにして対価を選ぶわ。でも久しぶりに話せて楽しかったから、おまけしちゃう!!」
「なんでもいうといい」
「じゃあ、腕にしようかしら!」
「駄目だ!」
朱雀が私と土蜘蛛の間に割って入る。
「紅蓮様。私が代わりに契約します」
「なにをいっている」
「そうよ。この戦神と、あなたとじゃ契約内容が変わってくるのよ。大人しくしていなさい。叶う願いも叶わなくなるわ」
「しかし!」
「朱雀もうよせ。私が契約する」
頑なな態度に朱雀は仕方がなく下がった。
「さあ、羅刹よ。対価を決めてくれ」
「んーそうね。腕って言ったけど確かにあなたは戦神だから腕は必要よね…剣が握れなくなるもの」
朱雀が悩む羅刹を殺す勢いで睨みつける。