天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
消えた白蘭
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紅蓮が来なくなって、何日たっただろうか。
発作を起こすほどの体力はないし体も動かない。
「皇太子殿下はすぐに来てくれますよ」
薬師神が私に言ってくれるけど、そんなものは全て嘘だ。
きっと死にゆく私へ薬師神が同情して言ってくれているのだろう。
でも、たしかに最後は紅蓮の顔が見たかった。
この後宮で独り死ぬのは嫌だな…。
眠ってしまおうかと瞼を伏せた時、玲心がやってきた。
「玲心様」
「薬師神、あとは私が…」
「しかし」
「…そのようにしてください」
薬師神は私の声を聞くと下がった。
「白蘭」
「玲心…私もうダメみたい」
「…何かしてほしいことはある?」
紅蓮が来なくなって、何日たっただろうか。
発作を起こすほどの体力はないし体も動かない。
「皇太子殿下はすぐに来てくれますよ」
薬師神が私に言ってくれるけど、そんなものは全て嘘だ。
きっと死にゆく私へ薬師神が同情して言ってくれているのだろう。
でも、たしかに最後は紅蓮の顔が見たかった。
この後宮で独り死ぬのは嫌だな…。
眠ってしまおうかと瞼を伏せた時、玲心がやってきた。
「玲心様」
「薬師神、あとは私が…」
「しかし」
「…そのようにしてください」
薬師神は私の声を聞くと下がった。
「白蘭」
「玲心…私もうダメみたい」
「…何かしてほしいことはある?」