天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「私が逝かせてやろうか」
「…っ」
剣をこちらに向ける紅蓮を私は睨んだ。
死なない。
紅蓮の手にかかって死ぬくらいならば、自分で死んでやる!
羽のない背の痛みに耐えながら、私は腕を使って這いずりながら湖に近づいた。
「足を斬られたそなたの父もこのような姿で動いていたな…血のつながりは無くも親子は似るものなのだな」
ふふっと笑う紅蓮が憎い。
湖に近づくと私の家が見える。
首に紅蓮の剣が突き付けられた。
「最後に言い残すことはあるか…?」
「…来世で会ったら私はあなたを必ず殺すわ!」
そう叫び、私は湖の中に飛び込んだのだった。
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天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~ 【END】