天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


なんだか父上の様子がおかしい。


「さ、飲みなさい」

「感謝します。」


お茶を飲むと父上が、ふっと笑う。

普段は見せない姿にむせそうになるのを止める。


「…父上。何かお話でも?」


おずおずと聞くと、父上もぎこちなく話し出した。


「白蘭。お前には話しておこうと思ってな。」


なんだろう。


「何度も言うか言うまいか迷った。だが、もうお前も成人した。この先いつ村に戻れるかわからん」


「はい」


「お前が成人するまで私は親としてお前を育ててきた。」


「はい」


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