天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
その先を待っていたが、父は黙る。
「父上。わかっています。今まで育ててくれたのは父上だし父上が厳しくするのは私のことを心配してのことです。感謝しているのです」
そう言って私が笑うと、逆に父は涙を流した。
「白蘭…お前と私には実は血のつながりはないのだ」
「え…?」
「私とも私の妻とも秋月とも血がつながっていない。何度言おうか迷った。」
「ち、父上?」
いきなりのことで父と呼んでよいものか。
「そんな…嘘です!」
「本当だ!だが、血のつながりはないが私はお前のことを本当の娘だと思っている」