天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「それでは私は誰の子なのです?」
「それはわからぬ。私の妻・春花(しゅんか)が生まれたばかりのお前を連れてきたのだ。白蘭という名と一緒に」
「そんな…そんなこと」
受け入れられず、否定する私を父は抱きしめた。
「お前を悲しませたくはなかった。だが言わずにはいられなかった。すまない」
「父上の子じゃないから翼が黒じゃない!父上の子じゃないから…父上の子じゃないからぁ」
父の腕から逃れようともがく私に父は言った。
「なぜ実の子ではない。どんなにそう思ったか。だが、そんなことは重要ではない」
「っ…うぅ…」
「白蘭よく聞きなさい。確かに血のつながりはない。だが、お前は私の娘なのだ。…私の大事な可愛い娘なのだ」
「父上!」
安心しきった私は父上の腕の中で号泣しそのまま眠りへと落ちて行った。