天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
この時止めていたら、私は春花を亡くさずに済んだかもしれない。そう何度も思った。
帰ってきた春花は翼に怪我を負っていた。
「春花!何があった!?どこに伝達しに行ったのだ!」
「魔宮に伝達しにいったの。大した怪我じゃないわ」
大丈夫という春花は思い出したかのように目を輝かせて言った。
「それより私、天女様に会ったの!!」
「天女に!?だが、ここは魔界だぞ」
天女は天界に遣わされる神聖な存在のため魔界には長くいられない。長い間、魔界にとどまると魔界の気に侵され死んでしまうのだ。
「慈悲深い天女様は魔界の不作を見かねて魔界を助けに来たんですって!怪我した私の翼も天女様が治してくださったの」
「そうか。よかった。春花」