天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
春花はこうゆう娘なのだ。昔から一度決めたことは最後までやり遂げ、義理堅い娘なのだ。
その良さをなによりも知っている春花を止めることなどできなかった。
「必ず。戻ると約束してくれ」
「ええ。必ず」
そして春花は飛び立っていった。
戦争は激しくなるばかりで、ついに天界と魔界が正面衝突する時が来た。
私は秋月と一族を守りながら春花を待った。
長い戦争の中、鬼神が敗れたという話があった。あの鬼神が死んだと。では、魔界が勝ったのか、そう思った。
そんなある日、天界と魔界の花々が枯れ空一面に光がさした。
そんな光景は初めて見たが直感的に天女が死んだということがわかった。